結論 危ないのは隙間そのものではなく、見ていないときに開いている隙間
こんにちは、黒まるやで。この家の押し入れは、一年じゅう開けっぱなしになってる。閉めようとすると王子が怒るからや。
うちだけの話やないやろ。猫様と暮らしてたら、一回は隙間で探しまわった経験があると思う。
子猫を迎えたばかりの人は、特に驚くと思う。ちょっと目を離しただけやのに、おらん。名前を呼んでも出てこない。焦って家じゅう探したら、なんでそんなとこ入れるん?っていう隙間から、平然とした顔でこっちを見てる。
先に言うとくね。猫様が隙間に入るのは止められへん。あれは本能やから、しつけでどうにかなるもんやないんや。
これから子猫を迎える人は、迎える前の準備のほうも先に見てみてな。
ほんまに危ないのは、隙間そのものやない。入ったまま自分では出られへん隙間と、人が見てられへんときに開いてる隙間。この2つだけなんや。逆に言うたら、そこさえ押さえてしまえば、猫様が隙間に入ること自体は別に困ることやない。

この記事では、猫様が隙間を好む理由と、家の中で危なくなりやすい場所を順番に見ていくで。
押し入れから甘えた声がした日のこと
名前を呼んだら、すぐに出てきた
この家の黒猫王子の話。もう子猫と呼ぶ年やないのに、いまだに押し入れに入るねん。
下僕さんが家におったら、どこからか鳴き声が聞こえてきた。しかもそれが、助けて、みたいな切羽詰まった声やなくて、完全に甘えた声やってん。

姿が見えへんから下僕さんがきょろきょろして、名前を呼んだ。ほんなら、開けっぱなしにしてた押し入れから、するっと出てきた。
自分で入っといてやで。誰にも閉じ込められてへんし、出口はずっと開いてた。それやのに、なんとなくさみしくなって鳴いてただけ。呼んだらすぐ出てこられる状態やったわけやね。
自分から入ったのに、さみしくなって鳴いていた
このとき下僕さんが焦らんで済んだのは、王子が自力で出られる場所におったからなんや。
もしあれが、体が引っかかって抜けへん隙間やったら。もしあれが、外から扉が閉まってしまう場所やったら。同じ「鳴き声が聞こえる」でも、話はまるっきり変わってた。
猫様が隙間で鳴いてるとき、寂しくて呼んでるだけのこともあれば、ほんまに出られへんこともある。この見分けが、あとで大事になってきます。ちなみに、留守番のときに鳴く子の話は分離不安の記事で詳しく書いてるで。
うちの押し入れは、いつも開けっぱなし
冒頭で書いた開けっぱなしの話、理由はもうひとつあってな。
閉めたら閉めたで、入りたい王子が扉をバリバリやってしまうねん。開けといたほうが家も無事やし、ついでに空気も回るしな、というのが下僕さんの言い分やった。
王子のためだけやなくて、家のための判断でもあるわけやね。ここ、あとの対策のところでもう一回出てきます。
猫が狭い場所に入りたがる理由
もともと身を隠して休む動物だから
猫様が狭いところを好むのは、野生やったころの名残と言われてる。
外敵に見つからんように身を潜めて休む。体がぴったり収まる場所に入ると、それだけで安心できる。実際、狭い場所に入ってるときの猫様は心拍が安定して、リラックスした状態になると言われてるんや。
つまりあれ、変な癖やなくて、猫様にとっては正しい休み方なんやね。
隙間は「獲物がいるかも」のスイッチになる
もうひとつ、狩りのほうの理由もある。
猫様のご先祖が狙ってたネズミや虫は、穴とか隙間みたいな狭いところにおる生き物やった。そやから猫様は、穴を見つけたら「なんかおるかもしれん」と確認したくなる。
子猫がやたらと隙間を覗き込むのは、遊んでるようで、けっこう真剣な調査活動やったりします。
怖いことや大きな音があったときの避難場所
好奇心やリラックスだけやなくて、逆のときにも猫様は隙間に入る。
知らん人が来た、大きい音がした、掃除機が動き出した。そういうときにさっと隠れられる場所として使うんやね。
これは無理に引っ張り出したらあかんパターン。落ち着くまで放っておくほうが、猫様にとってはありがたいんや。
鎖骨がないから、入れてしまう体のつくり
そもそも、なんであんなとこに入れるんかという話。
猫様には鎖骨がないねん。正確には、あるにはあるけど骨とつながってなくて、肩幅がほとんど作られへん構造になってる。そやから体をするっと滑り込ませられる。
飼い主からしたら「入れると思わんかった」場所でも、猫様にとっては普通に通り道。この認識のズレが事故のもとになります。

人間が「ここは無理やろ」と思う場所ほど、猫様にとっては通り道やったりするんやなぁ。
子猫が通れる隙間はどれくらいか
頭が入れば、あとは体もついてくる
猫様が通れるかどうかの目安は、頭が入るかどうか。
さっきの話のとおり、猫様は肩幅がほとんどないから、頭さえ通ってしまえば、あとは体の柔らかさで全身ついてくる。頭が入るなら通れる、と思っといたほうが安全やね。
ヒゲで幅をはかっていると言われている
猫様は通れる幅をヒゲで測ってる、というのもよく言われてる話。
ヒゲは顔の幅より外に出てて、周りとの距離をつかむセンサーの役割をしてる。それで無理なく通れるかどうかを判断してる、と言われてるんや。
ただしこれ、はっきりした根拠が確認できたわけやないから、そういう説がある、くらいに受け取っといてくださいね。子猫のうちは判断もまだ甘いしな。
成猫で頭の幅は約6センチ、子猫はもっと小さい
具体的な数字も出てる。大人の猫様で頭の幅がだいたい6センチほど。子猫やと顔の横幅が3から4センチくらいと言われてる。
6センチというと、500ミリのペットボトルの太さくらい。子猫の3センチとなると、もう相当な隙間が通り道になってしまうわけやね。
家の中を見回して、指が3本入る隙間があったら、子猫は入れると思っといてくださいね。
家の中で危険になりやすい隙間と場所
押し入れとクローゼット 閉じ込めに気づけない
暗い、狭い、静か。猫様が好きな条件が全部そろってるのが押し入れとクローゼットなんや。
しかも猫様は気配を消すのがうまいから、入ってることに気づかんまま扉を閉めてしまうことがある。長い時間閉じ込められると、脱水や熱中症の危険がある。積んである荷物が崩れて下敷きになる可能性も言われてます。
扉を閉める前に、中を見る。これだけです。
洗濯機 縦型でも中蓋が開いていれば入れる
洗濯機は、事故が起きたときのダメージがいちばん大きい場所やと思う。
特にドラム式は扉が床に近いから入りやすいし、気づかんまま回してしまうと取り返しがつかへん。扉が重たいから、出入りのタイミング次第で挟まれる危険もあると言われてる。
縦型やから大丈夫、とはならへんのがつらいとこでな。中蓋が開いてたら、猫様は普通に槽の中に入れます。
対策は、蓋を閉めておくことと、回す前に必ず中を見ること。この2つ。

ほかの隙間は気づいたら助けられる。洗濯機だけは、一回のうっかりが取り返しつかへんのや。
冷蔵庫や家電の裏 コードと配線がある
家電の裏は、猫様にとっては入りたくなる隙間やけど、コードと配線が集まってる場所でもある。
コードに絡まってパニックになる。被覆をかじって中の線に触れて感電する。特に歯が生え変わる時期の子猫は、いろんなものを噛みたがるから危ないと言われてます。
冷蔵庫みたいな大きい家電の裏に入り込んで、そのまま出られへんようになる例もあるんや。
対策は、家電と壁のあいだに隙間を作らんように寄せて置くこと。それとコード類をまとめて隠すこと。この2つで大部分は防げます。
家具と壁のすきま、下駄箱の下 入れても戻れない
いちばん見落とされがちなのがここ。
行きは勢いで入れるのに、帰りは体の向きを変えられなくて戻れない、というパターン。下駄箱の下みたいな低い隙間は、体が引っかかって抜けなくなることがあると言われてます。
家具を置くときは、壁との間に中途半端な隙間を作らんこと。これが一番の対策やね。
お風呂場 残り湯とすべる縁
浴槽に残り湯があるまま蓋が開いてると、落ちて溺れる危険がある。
浴槽の縁は猫様にとっても滑りやすくて、足を踏み外すことがあると言われてる。残り湯を張ってる家は蓋をしておくこと。それでも心配やったら、お風呂場は入らせない場所にしてしまうほうが確実やと思う。
引き出し、衣装ケース、ゴミ箱、洗濯カゴ
最後にまとめて。開けっぱなしの引き出し、衣装ケース、ゴミ箱、洗濯カゴ。このへんも猫様がよく入る場所です。
引き出しは閉めるときに挟む危険があるし、ゴミ箱は誤飲につながる。洗濯カゴは、そのまま洗濯機コースになりかねへんのがこわいところやね。
対策はどれも同じで、使ってないときは閉めておくこと。ゴミ箱は蓋つきに替えるだけでだいぶ違います。
今日からできる隙間対策
見ているときは開ける、出かけるときは閉める
対策の考え方は、実はこれ一本でええと思ってる。
人が見てられるときは開けてもええ。見てられへんときは閉める。それだけ。
この家の下僕さんが、まさにそれをやっててな。洗濯機は縦型で、使ったあとすぐは換気のために蓋を開けてる。けど、出かけるときはちゃんと閉める。夏になると王子が中に入ろうとするから、というのが理由やった。
これ、調べてみたら理にかなってた。縦型の洗濯機は使ったあと湿気がこもるから、しばらく蓋を開けて乾かすほうがええと言われてる。そのうえで、ペットや小さい子がいる家では、大人の目が届く時間だけ開けて、外出のときや寝るときは閉めるように、とはっきり書かれてるんや。
換気も取りたい、猫様も守りたい。その両立の答えが「見てられるときだけ開ける」なんやね。

この考え方やと、家じゅうを猫様仕様に改造せんでも済むのがええとこやね。
賃貸なら、閉めて引っかかれる被害も考える
さっきの扉のバリバリ、あれ賃貸やと地味に効いてくるねん。
扉や襖の傷は、そのまま退去のときに響いてくるからな。猫様に閉じ込められん家にするついでに、財布も守れてるわけや。
そのうえ、押し入れやクローゼットは扉を開けて空気を回すと湿度が下がって、カビが生えにくくなるとも言われてる。ただし開けとくだけで全部防げるわけやなくて、詰め込みすぎとか結露が残ってたらカビるらしいから、そこは期待しすぎんようにな。
閉めるのが正解の場所もあれば、いっそ開けっぱなしにするほうが安全な場所もある。うちは押し入れを開けっぱなし側にした、というだけの話やね。
いちばんあかんのは中途半端。普段は開いてるのに、たまたま気づかんと閉めてしまう。これが一番こわいパターンです。
扉を閉める前に、猫の居場所を目で確認する
結局これが最強の対策やと思う。
押し入れ、クローゼット、洗濯機、冷蔵庫、引き出し。閉めるものの前で一回止まって、猫様がどこにおるか目で見る。声をかけて返事を待つんやなくて、目で見る。
猫様は寝てるときは返事せえへんからな。
塞ぐと決めた隙間は板やストッパーで塞ぐ
入らせへんと決めた場所は、中途半端にせずしっかり塞ぐ。
家具と壁の隙間には板を入れる。扉の下の隙間にはストッパーを噛ませる。玄関や窓には柵やネットを付ける。このへんは市販のグッズでどうにかなります。
塞いだつもりで隙間が3センチ残ってたら、子猫には通り道やということだけ忘れんといてくださいね。
コード類はまとめて、使わない家電は抜いておく
配線は、モールやカバーでまとめて壁沿いに隠す。使ってない家電はコンセントから抜いておく。
噛み癖が出てる子には、かじると苦い味のするスプレーを使う手もあると言われてる。ただ、根っこには退屈があることも多いから、遊ぶ時間をちゃんと取るのも立派な対策やで。
かわりに「入ってええ隙間」を用意してあげる
ここが抜けると全部が台無しになるとこ。
隙間を全部塞いだら、猫様は困ってしまう。隠れて休む場所は猫様に必要なものやから、取り上げたらあかんのや。

段ボール箱、屋根つきのベッド、キャットタワーの箱の部分。なんでもええから、入ってええ隙間を用意してあげてください。安全な隙間があれば、危ない隙間にわざわざ行く必要もなくなるしな。

取り上げるんやなくて、代わりを出す。これが猫様との交渉のコツやで。
それでも隙間で鳴いたときは
高いところで鳴くのとは理由がちがう
高いところで鳴いてる猫様は、たいてい降りられなくて困ってる。降りるのが苦手な体のつくりやからね。くわしくは猫はなぜ高いところに登るのかのほうに書いてるで。
でも隙間で鳴いてる猫様は、話が別なんや。出られへんから鳴いてることもあるけど、この家の王子みたいに、自分で入っといてさみしくなっただけ、ということもけっこうある。
名前を呼んで出てくるなら、それは前者やない。そのまま好きにさせといたってください。
あわてて引っ張り出さない
出てこないときも、いきなり引っ張るのはやめといたほうがええ。
体のどこかが引っかかってる状態で無理に引くと、怪我につながる。まずはどこがつっかえてるか見て、家具のほうを動かせるなら動かす。自力でどうにもならんときは、迷わず助けを呼んでくださいね。
怖くて隠れてるだけの場合も、引っ張り出したら余計に隠れる場所を増やすだけなんや。落ち着くのを待つほうが早い。
長時間じっと動かないときは様子がちがうサイン
最後にひとつだけ、大事なこと。
長い時間、狭いところから出てこない。ごはんも食べない。ほとんど動かない。こういうときは、隠れてるんやなくて、体調が悪くて隠れてる可能性があると言われてます。
猫様は不調を隠す動物やからな。いつもの隙間好きと違うな、と思ったら、早めに病院に相談してあげてください。
まとめ
- 猫様が隙間に入るのは本能やから止められへん。危ないのは「自分で出られへん隙間」と「人が見てられへんときに開いてる隙間」の2つだけ
- 押し入れ、洗濯機、家電の裏、家具と壁のあいだ、お風呂場。閉める前に目で見るだけで、ほとんどの事故は防げる
- 隙間を全部塞ぐのはあかん。かわりに入ってええ隙間を用意してあげたら、猫様は危ないほうに行かんようになる
家の押し入れは、今日も開けっぱなし。閉めようとしたら怒られるからな。

わたしから見てたら、あれは王子が押し入れを気に入ってるというより、あの家がとっくに王子の家になってるだけやと思う。下僕が住まわせてもらってるほうやね。
まあ、そういう関係のほうがうまくいくもんやで。
